白石 効栽
シライシ コウサイ

白石 効栽
Kousai Shiraishi
ステイトメント/作品コンセプト
幼い頃の自分の家から遠く離れた祖父母の家に行くときのことを思い出した。車に乗って、この道を通って、しばらくしたら山が見えて、祖父母の家に着く。いつもその順番が決まっていた。祖父母の家までの道はそれしか知らなかった。知っている道より外側は「真っ白で何もない」空間で、なんとなく、そこに行ってしまったら戻って来れないと感じていた。だから見えている風景、知っている道から出てしまわぬように気をつけた。幼い頃から住んでいたところから遠く離れた場所へ引っ越すことになった。10年くらい経って、昔住んでいた場所も「真っ白で何も無い」場所になっていくように思った。今回のモチーフは私が実際に行った場所ではない。しかし、私にはそのモチーフが「真っ白で何も無い」ものになっていく記憶の感覚と関係しているように感じた。
略歴
1998年 長野県出身
2022年 京都芸術大学美術工芸学科油画コース卒業
2022年 京都芸術大学大学院美術工芸領域油画コース在学