沖田 愛有美
オキタ アユミ

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略歴

1994年岡山県生まれ。
2018年、金沢美術工芸大学油画専攻卒業。2020年、同学工芸専攻修士課程修了。2024年、同学博士後期課程美術研究領域修了。2016年と2024年に清華大学美術学院(中国・北京)へ交換留学生として派遣。絵画と工芸の領域を行き来し国内外で制作を行う。

主な展覧会
2024
・個展「祝福は傷口を伝っていく」クマ財団ギャラリー(東京)
個展「洞穴の暗がりに息づくもののために」 北千住BUoY(東京)
・グループ展「Art Fair Beppu 2024」別府国際観光港 旧フェリーさんふらわあ乗り場(大分)
・グループ展「発酵文化芸術祭 金沢―みえないものを感じる旅へ―」金沢・鶴来市内(石川)
・グループ展「伝統の継承と超越——蓮福現代漆画(国際)招待展」廈門市蓮福美術館(廈門/ 中国)
2022
・個展「結露する森」 galleria PONTE(石川)
個展「てのひらを掠めるもの」 金沢市安江金箔工芸館(石川)
2021
・グループ展「ploonet」 金沢美術工芸大学博士後期過程一年研究制作展」 しいのき迎賓館(石川)
・グループ展「内灘闘争 風と砂の記憶」 内灘町歴史⺠俗資料館 風と砂の館/内灘米軍試射場跡/着弾地 観測所跡(石川)
2019
・個展「漆画 呼吸を続ける」 勝山文化往来館ひしお(岡山)
・グループ展「KUMA EXHIBITION 2019」 スパイラルガーデン(東京)

受賞他
2020
公益財団法人佐藤国際文化育英財団 30期奨学生採択
2018
金沢美術工芸大学2017年卒業・修了制作部門学⻑賞
金沢美術工芸大学
2017年卒業・修了制作部門21世期美術館賞
公益財団法人クマ財団第2期生採択2017
金沢美術工芸大学 第15回芝田賞
第38回瀧富士国際美術賞 優秀賞

沖田 愛有美

Ayumi Okita


ステイトメント/作品コンセプト

沖田愛有美は、漆が育つ東アジアや東南アジアで発展した漆の絵画を独自の視点で再解釈します。ベトナムのソン・マイ(sơn mài)、中国の漆画(qī huà)として知られるこれらは、日本では絵画と工芸の境界上にあり定着しませんでした。しかし沖田は、視覚と触覚、目と手の再会ともいうべき領域の結節点にこそ漆の絵画の可能を探求してきました。近年は、漆が植物の樹液であり、制作者の意図を超えた変化を生じることに注目し、人間と非人間的なものとの関わりから漆を見つめています。自律的な反応を返す漆とのラリーを、両者による“共同制作”として捉え直し、人間の活動と不可分な自然環境との相互作用にまで関心を広げています。